ガス給湯器から変な臭いがする!対応が必要な場合の対処方法は?放置するリスクは?修理で直る?

ガス給湯器を使っていると、いつもと違う変な臭いを感じることがあります。
ガス給湯器の臭いを放置すると、一酸化炭素中毒や火災のリスクが高くなり、最悪の場合は命にも関わるため、なるべく早く対応しなくてはいけません。
今回の記事では、ガス給湯器から発生する臭いの種類や、対応が必要な場合の対処方法(自分ですぐにやるべきこと)、臭いを放置するリスクなどについて、詳しく解説します。
ガス給湯器から発生する臭いの種類

ガス給湯器から発生する可能性がある臭いには、いくつかの種類があります。
- ガスくさい臭い
- 焦げくさい臭い
- 生ぐさい臭い
- 酸っぱい臭い
ガス給湯器から普段と違う臭いがする場合は、ガス給湯器が故障している可能性が高く、今の状況が「危険」である可能性も高いです。
よって自己判断で対処することは避けて、まずはガス給湯器の使用を中止し、安全を確保したうえで、専門業者に連絡してガス給湯器を点検してもらうことが重要です。
「ガスくさい臭い」の原因
ガスは本来無臭ですが、ガス漏れに気付くことができるように、人工的に臭いが付けられています。
よって「ガス臭いな」と感じる場合は、実際にガス漏れが起きている可能性があります。
特にガス給湯器を使用していない時にも、ガスの臭いがする場合は、ガス漏れの疑いが強まります。
「焦げくさい臭い」の原因
ガス給湯器から焦げくさい臭いがする場合は、不完全燃焼が起きている可能性が高いです。
また、ガス給湯器の内部や排気口にホコリ・ゴミが溜まり、それらが燃えていることもあります。
「生ぐさい臭い」の原因
ガス給湯器の内部に溜まった水が、長期間使用されずに腐敗している可能性があります。
特に夏場は、水温が高くなるため、生ぐさい臭いが強くなることがあります。
またまれなケースですが、ガス給湯器内部の汚れが原因で、生ぐさい臭いが発生することもあります。
「酸っぱい臭い」の原因
ガス給湯器から酸っぱい感じの臭いがする場合は、ガス給湯器の部品が腐食している可能性があります。
また、未燃ガスが原因で酸っぱい臭いがすることもあり、その場合はガス漏れの可能性を考えなくてはいけません。
急いで対応する必要がない、ガス給湯器の臭い

ガス給湯器から異臭がする場合は、基本的に
- 給湯器の使用をすぐに中止する
- 速やかに専門業者を呼び給湯器を点検してもらう
ことが鉄則です。
しかし、臭いがする“状況”によっては、焦って対応する必要がない場合もあります。
- 「新しいガス給湯器の使い始め」の焦げくさい臭い
- 「プロパンガスの残量が少ない時」のガスくさい臭い
- 「ガス給湯器を久々に使用した時」の生ぐさい臭い
「新しいガス給湯器の使い始め」の焦げくさい臭い
新品のガス給湯器は、製造過程で部品に付着したオイルや、初回運転時に発生するわずかな燃焼ガスが焼けて、焦げくさい臭いを発することがあります。
これは一時的なもので、通常は数日~1週間ほどで自然に解消します。
しかし、1週間以上経っても臭いが消えない場合や、臭いが強くなってきた場合は、ガス給湯器が不良品である可能性が考えられるため、ガス給湯器を購入した販売店・設置業者に連絡しましょう。
「プロパンガスの残量が少ない時」のガスくさい臭い
ガス給湯器にプロパンガスを使用している場合、その残量が少なくなると、におい成分の濃度が高まり、「普段よりもガスくさい」と感じることがあります。
上記の場合、ガスの残量が少なくなっているだけで、ガス漏れが起きている訳ではありません。
しかし、自己判断は非常に難しいため、少しでもガス漏れが心配な場合はガス給湯器の使用を中止し、ガス会社に連絡してガスの残量を確認してもらうと安心です。
「ガス給湯器を久々に使用した時」の生ぐさい臭い
先にも述べたように、長期間ガス給湯器を使用していない場合は、給水管や給湯器内部に溜まった水が腐敗して、生ぐさい臭いを発することがあります。
特に、旅行などで数日家を空けた後に起こりやすい現象です。
蛇口から水をしばらく流し続けることで、配管内の古い水が入れ替わり、臭いが解消されることがほとんどです。
ただし、頻繁に生ぐさい臭いが発生する場合や、水を流しても臭いが消えない場合は、配管内の細菌やカビが原因となっている可能性が考えられます。
専門業者に相談してガス給湯器を点検してもらうとよいでしょう。
急いで対応する必要がある、ガス給湯器の臭い

先ほどは、焦って業者を呼ぶ必要がない臭いについて解説しましたが、すぐに対処が必要な危険な臭いもあります。
- ガスくさい臭い
- 焦げくさい臭い
「ガスくさい臭い」の危険性
先にも述べたように「ガスの臭い」とは、ガス漏れを検知するために、ガスの製造過程で付けられた人工的な臭いです。
「玉ねぎっぽい臭い」「硫黄っぽい臭い」など、人によって感じ方は様々です。
給湯器が本当にガス漏れしている場合は、引火して火災を引き起こす危険性があります。
また、ガスを吸い込むことで酸欠状態となり、頭痛・吐き気・意識障害などの身体症状を引き起こすこともあります。
すぐに自分でやるべき対処については、後ほど解説します。
「焦げくさい臭い」の危険性
先にも述べたように、「何か焦げているような臭い」「ススっぽい臭い」「ゴムやプラスチックが焼けているような臭い」がする場合は、ガス給湯器が不完全燃焼を起こしている可能性が高いです。
そして不完全燃焼を起こしているガス給湯器は、一酸化炭素を発生させることがあります。
一酸化炭素は無色・無臭の気体であるため、気付かないうちに中毒症状を引き起こします。
一酸化炭素中毒になると、頭痛・めまい・吐き気・意識障害などが起こり、最悪の場合は命にも関わります。非常に危険な状態です。
すぐに自分でやるべき対処については、後ほど解説します。
ガス給湯器から危険な臭いがする場合に、自分でやるべきこと

ガスくさい・焦げくさいなど、ガス給湯器から危険な臭いがする場合は、
- ガス給湯器を使用しない
- 部屋を換気する
- 速やかに専門業者に連絡する
上記3つを徹底してください。
自己判断で様子を見たり、ガス給湯器を自分で修理しようとしたりすることは大変危険で、最悪の場合は命に関わる可能性もあるため、絶対に避けてください。
また、引火による火災・爆発を防ぐために火気は厳禁です。
ガス給湯器から臭いがする時は、火気厳禁!
ガス給湯器から臭いがする時は、
- ライター
- タバコ
- マッチ
など、火を使う物は絶対に使用しないでください。
また、コンロ・給湯器・換気扇・照明など、電気のスイッチにも手を触れないようにしてください。
スイッチのオン・オフ時に生じるわずかな火花で、ガスに引火する可能性があるためで、スマホ・携帯電話の使用も、臭いから離れたところで行ってください。
すぐにガス給湯器の使用を中止する
ガス給湯器のリモコンの「運転」ボタンを押し、ガス給湯器の運転を停止させてください。
窓を開けて換気する
室内でガス給湯器を使用していて、変な臭いがしている場合は、できるだけ多くの窓・ドアを開けて、部屋に空気の流れを作り、ガスの濃度を下げてください。
ガスの元栓を閉める
ガス給湯器の元栓を閉めて、ガスの供給を止めましょう。可能であれば、ガスメーターにある元栓も閉めてください。
すぐに専門業者に連絡する
身の回りの安全を確保してから、速やかに専門業者に連絡してください。
専門業者には「ガスくさい臭いがする」と伝え、具体的な状況を説明しましょう。
先にも述べたように、自力で給湯器を修理しようとすることは、危険なため絶対にやめてください。
ガス給湯器から臭いがする状況を放置するリスク

ガス給湯器から異常な臭いがする状況を放置することは、非常に大きなリスクを伴います。
そのリスクは、大きく分けると「人命に関わるリスク」と「経済的なリスク」に分類できます。
ガス給湯器の臭いを放置すると発生する「人命に関わるリスク」
- 一酸化炭素中毒
- 火災・爆発
一酸化炭素中毒
先にも述べたように、ガス給湯器の不完全燃焼が原因で異常な臭いが起こっている場合は、猛毒ガスの1つである一酸化炭素を発生させる危険性があります。
一酸化炭素は、濃度が低い状態であっても、頭痛・めまい・吐き気などの症状を引き起こします。
一酸化炭素が高濃度になると、意識障害・昏睡状態となり、最悪の場合は命に関わります。
一酸化炭素は目に見えず臭いもないため、中毒になっていることに気付きにくいことが、最大の危険です。
火災・爆発
漏れ出したガスが室内に充満していると、わずかな火気・静電気・火花(電気スイッチのオン・オフで生じるもの含む)などで引火し、火災や爆発を引き起こす危険性があります。
めったに起こることではありませんが、ガス爆発の威力は甚大で、家屋の損壊や近隣住民への被害が発生する可能性もあります。
ガス給湯器の臭いを放置すると発生する「経済的なリスク」
- 修理費用の増大
- 賠償責任の発生
修理費用の増大
ガス給湯器に不具合が起きた時は、初期段階で対処することができれば、特定の部品交換だけで済む(=安価で済む)ことが多いです。
しかし不具合を放置してしまうと、特定の部品だけではなく他の部品にも影響を及ぼし、修理費用が大幅に増大する可能性があります。
例えば、不完全燃焼の原因である「バーナー」の不調を放置すると、「熱交換器」など他の重要部品も損傷し、結果的に高額な交換費用が必要になる場合があります。
賠償責任の発生
ガス漏れから火災・爆発が発生して、近隣の建物・財産に損害を与えた場合、多額の賠償責任を負う可能性があります。
ここまで解説してきた様々なリスクを避けるためには、ガス給湯器からいつもと違う臭いがした時点で、「軽微なものであっても放置しない」ことが最も重要です。
ガス給湯器から臭いがする状況は、修理で改善する?

ガス給湯器から臭いがする状況は、修理で改善することがあります。
給湯器の修理費用は、「出張費」+「部品代」+「技術料」で構成されます。
燃焼系部品(バーナーなど)の不具合の修理費用は、「1~4万円」が目安です。
また、安全装置系部品(立ち消え安全装置など)の不具合の修理費用は、「1~6万円」が目安です。
そして、水制御系部品(水量センサーなど)の不具合の修理費用は、「1~4万円」が目安です。
ただし、使用年数が10年を超えているガス給湯器については、他の部品も劣化している可能性が高く、修理してもすぐに別の箇所が故障するリスクがあります。
- 修理費用が高額になる場合
- ガス給湯器の使用年数が10年を超えている場合
上記のような場合は、ガス給湯器の修理ではなく、交換を選ぶとよいでしょう。
(メーカーにて修理用部品の供給が終わっているケースもあり、その場合は交換を選ぶしかありません。)
- 修理費用はいくらかかるのか?
- 今のガス給湯器はあと何年くらい使えるのか?
- ガス給湯器を交換する場合の費用やメリットは?
上記の事柄を詳しく聞いて、納得したうえで最適な選択をすることが大切です。
まとめ
以上、ガス給湯器から発生する可能性がある臭いの種類や、対応が必要な場合の対処方法、臭いを放置するリスクなどを、詳しく解説しました。
記事のなかで述べたように、実際はあまり心配の要らない状況というのもありますが、自己判断をすることは危険です。
ガス給湯器から「いつもと違う臭いがするな」と気付いたら、身の回りの安全確保のうえ、速やかに専門業者に相談しましょう。
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