給湯器が不完全燃焼を起こしている時の症状・対処方法!放置のリスクは?修理で直る?

「給湯器の調子が悪い、よく聞く『不完全燃焼』という現象が起きているのでは?」と、不安になってはいませんか?
最近の給湯器には「不完全燃焼防止装置」が付いているため、あまり心配は要りませんが、古い給湯器には「不完全燃焼防止装置」が付いていないことがあります。
不完全燃焼が起きている場合、「炎の色が赤い」「焦げ臭い」といった給湯器自体の症状、そして一酸化炭素中毒による身体症状があらわれ、放置していると命に関わることもあります。
そこで今回は、給湯器が不完全燃焼を起こしている場合にあらわれる現象・症状や対処方法、放置のリスク、修理で対応できるかどうかについて、詳しく解説していきます。
給湯器が不完全燃焼を起こしている時、「給湯器自体」に起こる現象

- 炎の色が異常になる
- 焦げくさい臭いや刺激臭がする
- スス(黒い煙)が発生する
- 給湯器から異音がする
- お湯の出方が不安定になる
給湯器が不完全燃焼を起こしている時には、上記のような現象があらわれることが多いです。
それぞれの異常について、下記で簡単に解説します。
炎の色が異常になる
正常に燃焼している炎は「澄んだ青色」ですが、不完全燃焼を起こしていると、炎が「赤」や「オレンジ」、「黄色」になります。
上記は、燃焼に必要な空気が不足しているサインです。
焦げくさい臭いや刺激臭がする
給湯器が不完全燃焼を起こしていると、焦げたような臭いやツンとした刺激臭が発生することがあります。
スス(黒い煙)が発生する
不完全燃焼を起こしている給湯器は、燃焼の際に炭素が燃えきらずにススとなり、排気口から黒い煙が出ることがあります。
給湯器の周囲や壁にススが付着している場合も、不完全燃焼の疑いが強いです。
給湯器から異音がする
不完全燃焼を起こしている給湯器は、燃焼が安定しないために「ボンッ」という小さな爆発音がしたり、「ボコッ」という異音がしたりすることがあります。
お湯の出方が不安定になる
不完全燃焼を起こしている給湯器は、お湯を出している途中で火が消えたり、設定温度よりぬるいお湯しか出なかったりと、お湯の出方が不安定になります。
給湯器が不完全燃焼を起こしている時の「人体」への影響
給湯器が不完全燃焼を起こすと、人体へも少なからず影響を与えます。
その影響とは、一酸化炭素中毒です。
給湯器の不完全燃焼は、無色・無臭の猛毒ガスの1つである一酸化炭素(CO)を発生させます。
一酸化炭素中毒の初期症状は、風邪やインフルエンザに似ているため、不完全燃焼の可能性が見過ごされがちです。
一酸化炭素の「軽度」の中毒症状
- 頭痛
- めまい
- 吐き気・嘔吐
- 耳鳴り
- 疲労感・だるさ
一酸化炭素の「中度」の中毒症状
- 手足のしびれ・けいれん
- 呼吸困難
- 意識の混濁・判断力の低下
一酸化炭素の「重度」の中毒症状
- 失神・昏睡状態
⇒ 最悪の場合、命に関わる
上記の症状は、給湯器を使用している時や使用後にあらわれることが多いです。
屋外設置の給湯器でも、排気ガスが窓や換気口から室内に逆流して、一酸化炭素中毒を引き起こすケースがあるため、注意が必要です。
給湯器が不完全燃焼を起こしている場合の対処方法

- 給湯器の使用を中止する
- 窓を開けて換気する
- 体調に異変がないか確認する
- 専門業者に連絡する
給湯器の不完全燃焼が疑わしい場合は、上記4つの対処を速やかに実行しましょう。
自己判断で様子を見たり、給湯器を修理したりすることは、非常に危険なので避けてください。
1.給湯器の使用を中止する
給湯器のリモコンがある場合は、「運転」ボタンを押し、電源を切ってください。
リモコンがない場合・機能していない場合は、給湯器の電源プラグをコンセントから抜くか、ブレーカーを落として電源を遮断してください。
この段階で、給湯器の燃焼を完全に止め、一酸化炭素の発生源を断つことが最優先です。
2.窓を開けて換気する
家の中のすべての窓やドアを全開にし、新鮮な空気を十分に取り入れてください。
一酸化炭素が室内に充満している可能性があるため、室内のガス濃度を下げることを目的とします。
換気扇を回すことでも換気は可能ですが、火花が発生するリスクを考慮し、まずは手動で窓を開けるのが安全です。
3.体調に異変がないか確認する
自分だけでなく、家族や同居している人の体調に異変がないか確認してください。
特に、頭痛・めまい・吐き気・疲労感などの症状は、一酸化炭素中毒の初期症状である可能性が高いです。
これらの症状が深刻な場合は、すぐに救急車を呼ぶことも検討してください。
専門業者に連絡する
先にも述べたように、給湯器は絶対に自己判断で修理しようとしないでください。
給湯器のメーカーや、給湯器を購入した販売店、またはガス会社(契約しているプロパンガス会社など)に速やかに連絡し、不完全燃焼が疑われる旨を伝えましょう。
業者が到着するまでの間は、給湯器を再び使用しないでください。
業者に状況を正確に伝えるため、どのような症状(炎の色・異臭・音など)が見られたかをメモしておくと良いでしょう。
給湯器の不完全燃焼を放置するリスク(一酸化炭素中毒以外)

給湯器の不完全燃焼は、放置していると非常に危険で、経済的にもリスクがあります。
リスクのうち1つは、ここまで解説してきた「一酸化炭素中毒」のリスクです。
そのほかにも、
- 火災・爆発のリスク
- 修理費用の増大のリスク
- 賠償責任のリスク
などが伴います。
火災・爆発のリスク
不完全燃焼により大量のススが発生し、給湯器の内部や排気口に溜まると、ススが熱されて引火し、火災につながる可能性があります。
また、燃焼が不安定な状態が続くと、部品の劣化が早まり、ガス漏れを引き起こすことがあります。
漏れたガスが給湯器内部や周辺に充満すると、小さな火花でも引火・爆発する危険性があります。
修理費用の増大のリスク
不完全燃焼の原因となる軽微な不具合を放置すると、問題が悪化し、より高額な修理費用や、給湯器全体の交換が必要になる可能性があります。
たとえば、「バーナー」の不具合が原因で不完全燃焼が起きている場合、放置すると「熱交換器」など他の重要部品にも負荷がかかり、連鎖的に故障することがあります。
賠償責任のリスク
万が一、不完全燃焼による火災や爆発が原因で、近隣の家屋や財産に損害を与えた場合、多額の賠償責任を負うことになります。これは経済的に非常に大きな負担です。
給湯器の不完全燃焼は、修理で直るのか?

給湯器の不完全燃焼は、修理で直ることがあります。
修理費用は、「出張費」+「技術料」+「部品代」の合計で決まります。
具体的な費用は、不完全燃焼の原因や機種によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
- 燃焼部の清掃・調整:1万円〜2万円
- バーナーや電磁弁の交換:2万円〜4万円
- ファンモーターの交換:3万円〜5万円
合計の目安は1万円〜6万円程度と考えておくと良いでしょう。
ただし、使用年数が10年を超えている給湯器の場合は、他の部品も劣化している可能性が高いです。
そのため修理してもすぐに別の箇所が故障するリスクが高いため、何度もお金をかけて修理することがないように、給湯器を交換したほうがよいです。
(メーカーに修理用の部品がないこともあり、その場合は給湯器の交換を選ぶしかありません。)
また、修理費用が「給湯器の交換費用の30%」を超える場合も、新しい給湯器に交換するほうが、長期的に見て経済的です。
最近の給湯器には「不完全燃焼予防装置」が搭載されている

記事の冒頭でも述べたように、最近の給湯器には「不完全燃焼予防装置」が搭載されています。
「不完全燃焼防止装置」とは、給湯器の燃焼状態を常に監視し、不完全燃焼の兆候(炎の状態が不安定・排気の温度異常など)を検知すると、自動的に給湯器を停止させる安全装置です。
この装置は、給湯器の安全性を高めるうえで非常に重要な役割を果たしています。
しかし、装置があるからといって、メンテナンスが不要というわけではありません。
長年の使用による部品の劣化や、センサーの不具合によって、安全装置が正常に作動しなくなる可能性もゼロではないからです。
そのため、10年以上使用している古い給湯器は、不完全燃焼防止装置が搭載されていても、経年劣化により不具合が生じている可能性があります。
もし給湯器から異臭がしたり、お湯の出方が不安定になったりした場合は、安全装置に頼りきりにせず、すぐに専門業者に給湯器の点検を依頼することをオススメします。
まとめ
以上、給湯器が不完全燃焼を起こしている場合にあらわれる症状や対処方法、放置のリスク、修理で対応できるかどうかについて、詳しく解説しました。
一酸化炭素中毒のリスクなどをはらむ不完全燃焼を放置することは、非常に危険です。
自己判断で様子見することはせず、少しでも「おかしいな」と感じたら、迷わず専門業者に相談しましょう。
⇒ 草津市・大津市・栗東市・守山市などで不完全燃焼が疑わしい給湯器を交換するなら『クサネン』にご相談ください。
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