給湯器の中和器とは?エラー920の放置リスクと交換の判断基準

給湯器のリモコンに突然エラーが表示され、「中和器の寿命」や「給湯器本体の交換が必要」といった情報を目にして不安を抱えている方もいるでしょう。
給湯器の中和器についてよく知らない状態では、「まだお湯が出ているのに本当に本体交換が必要なのか」「業者に足元を見られるのではないか」と疑問を感じるのも当然です。
本記事では、中和器とは何か、給湯器における役割からエラーを放置するリスクまで解説します。
修理か本体交換かの判断基準や施工事例もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
給湯器の中和器とは【エコジョーズ特有の部品】

まず給湯器の中和器とは何か、主な役割と寿命の目安を見ていきましょう。
酸性のドレン水を中和する役割
給湯器の中和器は、エコジョーズ(省エネ高効率給湯器)特有の部品であり、発生する酸性の水を無害な中性の水に変換する役割があります。
エコジョーズは排気熱を再利用してお湯を沸かす仕組みの給湯器で、その過程で酸性の結露水である「ドレン水」が発生します。
酸性の水をそのまま流してしまうと、自宅やマンションの配管、下水設備を腐食させて傷めてしまうため、排水前には必ず中和しなければなりません。
中和器の内部には、炭酸カルシウム(石灰石)が大量に詰められています。
例えば、水道水を通す「浄水器のフィルター」のような箱型の部品をイメージするとわかりやすいでしょう。
中和器の寿命は約10年
中和器の寿命は、一般的に約10年が目安とされています。
中和器の内部にある炭酸カルシウム(石灰石)は、酸性のドレン水を通すたびに少しずつ溶けて消耗していく性質があるためです。
中和器の限界は、お湯の使用頻度や使用量に直結して変動します。
例えば、家族の人数が多い、毎日たくさんのお湯を使う、床暖房を長時間使用している家庭は中和器の消耗が早い傾向にあります。
一方で、お湯の使用量が少ない家庭では、寿命のエラーが出るまで10年以上持つケースも珍しくありません。
給湯器の中和器は電池やカートリッジのように「時間経過と使用量によって交換が必要になる」と認識しておきましょう。
中和器の不具合を示すエラーコード「920・930」

中和器の寿命が近づくと、給湯器のリモコンにエラーコードが表示されます。
エラーは段階的に設定されており、「920」は警告、「930」は完全停止を意味します。
突然お湯が使えなくなると生活に支障が出るため、メーカーが「お湯が使えるうちに部品を手配してほしい」という猶予期間を約1か月設けているためです。
メーカーごとの名称は異なりますが、意味する内容は共通しています。
| エラーコード | 意味 | 給湯器の状態 |
|---|---|---|
| 920(921) | 寿命予告(警告) | お湯の使用可能 まだ使えるが、いずれ必ず停止する猶予期間 |
| 930(931) | 寿命告知(停止) | お湯の使用不可 安全装置が働き、完全に運転を強制停止した状態 |
エラー「920」が出てもお湯は出ますが、そのまま使い続けると約1か月で必ず「930」に移行します。
中和器は騙しながら使い続けられる性質のものではないため、エラー「920」の段階で対処が必要です。
重大事故の可能性は低い!中和器のエラーコードを放置するリスク

中和器のエラーが出た際、インターネット上には「放置すると危険」と不安を煽る情報も少なくありません。
実際のところはどうなのか、以下でプロの視点から中和器のエラーコードを放置するリスクを解説します。
突然のお湯切れ
エラー「920」が出ているのに放置すると、ある日突然「930」に変わり、お湯が一切使えなくなるリスクがあります。
エラー「920」はあくまで部品手配のための猶予期間であり、一定量のドレン水が発生すると、必ず「930」へ移行する仕組みになっているためです。
具体的には、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 入浴中や冬場の寒い時期に突然お湯が出なくなる
- エラー「930」に変わってから業者を呼んでも、部品の取り寄せに数日かかりお湯が使えない生活を強いられる
生活に直結する不便を避けるためにも、まだお湯が使えるエラー「920」の段階で、速やかに点検や交換を手配しましょう。
内部の漏電
中和器の寿命を超えて無理に使い続けると、行き場を失ったドレン水が給湯器内部で溢れ出し、内部の漏電やショートを引き起こす危険性があります。
限界まで消耗した中和器内部の炭酸カルシウム(石灰石)は、真っ黒に汚れて目詰まりを起こします。
その結果、ドレン水が適切に排出されなくなり、逃げ場を失った水が給湯器の内部へと逆流してしまうためです。
ドレン水が給湯器内部に逆流すると、以下のような二次被害を引き起こすリスクがあります。
- 給湯器の電子基板など重要部品を濡らしてしまう
- 水に濡れた電子基板がショートや漏電を起こし、本体の致命的な故障につながる
- ほかの重要部品まで連鎖的に壊れてしまい、数十万円の本体の買い替えを余儀なくされる
致命的な故障を防ぐためにも、中和器のエラーが出たら放置せず速やかに対処しましょう。
中和器のみか給湯器本体ごと交換するかを判断するポイント

エラーが出た際、中和器のみを交換して安く済ませるか、給湯器本体を丸ごと交換するかは、以下の2つのポイントで判断するのが基本です。
- 使用年数が10年を経過しているか
- 中和器以外に不具合があるか
以下で、判断基準について詳しく見ていきましょう。
1.使用年数が10年を経過しているか
給湯器の設置から10年以上が経過している場合は、中和器のみの修理ではなく、給湯器本体ごとの交換をおすすめします。
給湯器のメーカーが修理用部品を保有する期間は、製造から約10年と定められているためです。
また、現場のプロの視点でも、中和器だけが消耗していてほかの部品が全く劣化していないというケースはほとんどありません。
使用年数が10年未満の場合、中和器のみの交換で、その後も数年間は問題なく使い続けられる可能性があります。
一方で、使用年数が10年以上の場合、中和器だけを交換しても、すぐに電子基板やバーナーなど別の部品が故障し、修理のいたちごっこになりかねません。
この場合、使用年数が10年以上経った給湯器に何度も修理費用をかけるより、本体ごと交換したほうが長期的にトータルコストが安く済みます。
2.中和器以外に不具合があるか
使用年数に関わらず、中和器のエラー表示と同時に給湯器のほかの不具合が起きている場合は、本体ごとの交換を検討すべきです。
複数の箇所で同時にトラブルが発生しているということは、給湯器全体の経年劣化が進行している証拠であり、中和器の部分的な修理だけでは根本的な解決になりません。
以下のような症状が一つでも当てはまる場合は、給湯器本体の交換を検討しましょう。
- お湯の温度が安定しない(急に熱くなったり冷たくなったりする)
- 給湯器本体から普段とは違う大きな音や異臭がする
- 給湯器の外装に目立つサビがある
- 機器周辺で水漏れが発生している
危険なサインを見逃して中和器だけを修理しても、結果的にすぐ本体が故障して使えなくなってしまいます。
重大事故を防ぐためにも、複数の不具合がある場合は新しい給湯器への交換を検討しましょう。
⇒ 草津市・大津市・栗東市・守山市などで、給湯器の交換をご検討の方は、『ガス機器とオール電化のプロショップクサネン』にご相談ください。
給湯器の中和器を交換する費用相場

中和器のみを交換する場合の費用相場は、部品代と作業費を合わせて15,000〜30,000円程度です。
中和器の交換費用は基本的にどこに依頼しても大きな差はありません。
ただし、設置場所が狭い場合や高所作業で特殊な足場が必要な場合、あるいは遠方からの出張費や夜間・休日割増料金が加算されると、相場を上回ることがあります。
安心して修理を依頼するためには、費用相場を把握しておくことが大切です。
給湯器の中和器交換を自分でしないほうがよい理由

費用を浮かすために、中和器の部品を自分で購入して交換することは避けましょう。
給湯器はガス・電気・水を同時に扱う精密な設備機器であり、分解や部品交換は専門的な有資格者が行うべき作業として定められているためです。
素人による作業は、以下のような事故やトラブルを招くおそれがあります。
- ガス漏れによる爆発事故
- 不完全燃焼による一酸化炭素中毒
- 水漏れによるマンション階下への漏水被害
- メーカー保証の無効化や火災保険の適用外となるリスク
中和器の交換は、単に部品を付け替えるだけに見えても、確実な安全確認が必須の作業です。
命や財産を守るためにも、必ずメーカーや専門業者に依頼してください。
中和器のエラーを機に、点検や交換を相談する業者の選び方

中和器のエラーをきっかけに点検や給湯器本体の交換を依頼する際は、国家資格の保有と説明のわかりやすさの2点を基準に優良業者を見極めましょう。
中和器のみを修理する場合は、基本的にメーカーによる作業になります。
一方で、業者に依頼して本体を交換する場合、給湯器の施工にはガスや電気など多岐にわたる資格が必要になるためです。
以下で、業者の選び方のポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
国家資格を持っているか
業者の公式サイトを確認し、給湯器の施工に必須となる国家資格や公的資格を持った技術者が在籍し、実際に施工してくれるかをチェックしましょう。
給湯器の工事には、ガス漏れや不完全燃焼、漏電といった命に関わる事故を防ぐため、有資格者が行うことが義務付けられている作業領域が含まれます。
主に、以下のような資格があれば専門業者として位置付けできます。
| ガス配管に関わる資格 | 液化石油ガス設備士 ガス可とう管接続工事監督者 都市ガス内管工事資格者 など |
| 機器設置に関わる資格 | ガス機器設置スペシャリスト(GSS) |
| 電気・水道に関わる資格 | 第二種電気工事士 給水装置工事主任技術者 など |
安さだけを売りにしている無資格業者に給湯器の交換を依頼するのは危険です。
有資格者がいる業者は、単に部品を取り替えるだけでなく、作業後のガス漏れ検査や排気チェックといった安全確認も確実に行ってくれるため、安心して任せられます。
当社「クサネン」には、「液化石油ガス設備士」や「ガス機器設置スペシャリスト(GSS)」をはじめとする有資格者が在籍しています。
⇒ 草津市・大津市・栗東市・守山市などで、給湯器の交換をご検討の方は、『ガス機器とオール電化のプロショップクサネン』にご相談ください。
質問に対してわかりやすく説明してくれるか
問い合わせの際や現地調査のときに、こちらの質問に対して素人にも納得のいくわかりやすい説明をしてくれるかどうかも確認しましょう。
優良業者を見極めるためには、具体的に以下のような質問を投げかけてみてください。
- エラーが出てもまだお湯が出ているに交換が必要ですか
- 中和器を交換しないとどうなりますか
- 中和器だけを交換する場合と、本体ごと交換する場合の違いを教えてください
- 見積もり項目には、具体的にどのような作業が含まれていますか
これらの質問に対し、一方的な提案で進めるのではなく、使用年数や現在の状況を踏まえたうえで丁寧に説明してくれる場合は、信頼できる業者であると判断できます。
当社「クサネン」が中和器の不具合で給湯器を交換した事例

ここでは、当社「クサネン」が中和器の不具合で給湯器を交換した事例を紹介します。
【施工事例1】
- 商品名:ノーリツ エコジョーズ GTH-C2461SAWD-1BL
- 費用:300,000円
- 工期:3時間
- 交換理由:経年16年の給湯器のリモコンにエラー「920」が表示され、お湯は使えるものの温度が低く水圧が弱いため本体を交換
⇒ ”エラー920”16年ご使用のガス給湯器(エコジョーズ)を交換
【施工事例2】
- 商品名:ノーリツ エコジョーズ GT-C2062SAWX-2
- 費用:180,000円
- 工期:3時間
- 交換理由:経年14年の給湯器に不具合があり、リモコンのエラーコード履歴を確認すると中和器交換を示すエラーが出ていたため本体を交換
⇒ エコジョーズの交換はクサネンにお任せください!(ノーリツGT-C2062SAWX-2)
【施工事例3】
- 商品名:ノーリツ エコジョーズ GT-C2062AWX-2BL
- 費用:199,000円
- 工期:2.5時間
- 交換理由:経年14年の給湯器お湯の温度が安定せず、エラー「920」が点滅していたため本体を交換
⇒ 使用年数14年のエコジョーズを交換(ノーリツGT-C2062AWX-2 BL)
施工事例の紹介ページでは、交換の様子を写真付きで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
給湯器の中和器はエコジョーズ特有の部品であり、酸性のドレン水を無害化する重要な役割があります。
エラー「920」は中和器の寿命を知らせる警告であり、放置するといずれ「930」に変わってお湯が全く使えなくなります。
中和器のエラーによる重大事故のリスクは低いものの、突然のお湯切れや内部漏電を防ぐためには早めの対処が必要です。
給湯器の設置から10年が経過している場合は、中和器のみの修理よりも本体の交換を検討するほうが、長期的にはコストパフォーマンスが高くなります。
中和器のエラーが表示された際は、自分で安易に分解したり部品を交換したりせず、信頼できる業者に相談しましょう。
給湯器の中和器に関するよくある質問
給湯器の中和器に関するよくある質問をまとめました。
中和器のエラーを一時的に消す方法はありますか?
リモコンの電源を一度切り、再度入れることで一時的にエラー表示が消える場合があります。
しかし、基本的には中和器のエラーは消せません。
中和器のエラーは誤作動によるものではなく、電源プラグの抜き差しをしても解消されないため、適切な対応が必要です。
中和器交換の作業にかかる手間や時間はどのくらいですか?
給湯器本体の前方にスペースがあれば、作業自体はカバーを外して部品を差し替える作業で済むため、30分〜1時間程度で完了します。
浴室での作業はなく、キッチンや洗面台で試しにお湯を出す程度の確認です。
ただし、メーカーに部品の在庫がなく取り寄せになる場合は、数日〜1週間程度かかることもあります。
中和器のみの交換を選択した場合、その後何年くらい持ちますか?
新しく交換した中和器の部品自体は、その後数年〜10年程度持ちます。
しかし、問題は給湯器本体の寿命です。
築10〜15年で中和器が寿命を迎えたということは、電子基板やバーナーといったほかの部品も同時に寿命を迎えているケースがほとんどです。
そのため、中和器を交換した直後に別の故障が起きるリスクが非常に高いといえます。
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